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R0325 / イタリア

自閉スペクトラム症の初期兆候がある乳児に、家庭で親子のやり取りを支える――イタリア「FIRRST」の研究計画

無地の画面のノートパソコンと、二つの木製リングの線画。

自閉スペクトラム症(ASD)の初期兆候がある乳児に、家庭での親子のやり取りを通じた支援を行う。その方法を調べる研究計画「FIRRST」が、イタリアで公表されています。対象は9〜14か月の乳児。診断が確定した子どもの治療成果ではなく、早い時期の支援をどう評価するかという計画です。

乳児と養育者132組の参加を計画

研究の拠点はピサのStella Maris財団とメッシーナの医療・研究機関です。専門の診療で初期兆候が確認された乳児132人と養育者を募集し、二つの群に無作為に分ける計画を示しています。

一方の群はFIRRST、もう一方は養育者向けの教育を受けます。どちらの群も地域の通常の診療・支援につなぐ設計です。家庭だけに対応を任せるのではなく、専門職によるオンライン支援と通常のサービスを組み合わせます。

FIRRSTと養育者教育へ分ける無作為化試験の計画フロー。募集、割付、支援、追跡評価と原図の略語説明を含む。
研究チームが予定する、募集から二群への割り付け、評価までの流れです。FIRRSTと養育者教育を比べ、両群を地域の通常の診療・支援につなぎます。人数は研究計画上の目標で、参加を終えた人数ではありません。
引用元画面:Trials(2026-10-16取得)/Costanza Colombi, Sara Calderoni, Natasha Chericoni, Eugenia Conti, Valeria Costanzo, Viviana Marchi, Gabriella Di Rosa, Michael V. Lombardo, Liliana Ruta, Andrea Guzzetta (2026), Fig. 1. © The Author(s) 2026/原典の条件:CC BY-NC-ND 4.0本文の説明・検討のために引用。原典:Fostering Infant Responsivity and Reciprocity - Support to Thrive (FIRRST): a multisite randomized control trial of a pre-emptive telehealth intervention for infants with early signs of Autism Spectrum Disorders in Italy.公式Webで、図番号・原題リンクから原図全体と原caption末尾までを連続して撮影。原図の文字・値を変更せず、縦横比を保って縮小表示。原寸も確認可能です。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
FIRRSTと養育者教育へ分ける無作為化試験の計画フロー。募集、割付、支援、追跡評価と原図の略語説明を含む。

親子の遊びを、一緒に振り返るオンライン支援

FIRRSTでは、専門職と家庭が週1回、約1時間オンラインで関わります。計画する支援期間は24週間です。親子の遊びや乳児の反応を見ながら、養育者の働きかけを振り返り、日常生活とのつながりを話し合います。

扱うのは、乳児が注意を向ける様子、やり取りを始める行動、気持ちや身体の状態への応答などです。比較する養育者教育の群では、発達を支える資料と月1回の相談を用意しています。内容と関わる頻度が異なる二つの支援を比べる計画です。

子どもの評価と、養育者の状態を追う

評価は開始時、24週後、48週後を予定しています。主要な評価項目は、標準化された観察評価によるASDの特徴の程度です。発達、親子のやり取り、養育者のストレスなども調べ、安全性と費用の評価も計画しています。

登録、二群の支援、子ども・養育者・脳波などの評価を、研究開始前と開始時、24週後、48週後へ並べたSPIRIT予定表。原captionと略語説明を含む。
どの時点で支援や評価を行うかを示した予定表です。開始時、24週後、48週後に、子どもの発達や親子の関わり、養育者の状態などを調べます。表の印は評価の実施予定で、改善の結果を表すものではありません。
引用元画面:Trials(2026-10-16取得)/Costanza Colombi, Sara Calderoni, Natasha Chericoni, Eugenia Conti, Valeria Costanzo, Viviana Marchi, Gabriella Di Rosa, Michael V. Lombardo, Liliana Ruta, Andrea Guzzetta (2026), Fig. 2. © The Author(s) 2026/原典の条件:CC BY-NC-ND 4.0本文の説明・検討のために引用。原典:Fostering Infant Responsivity and Reciprocity - Support to Thrive (FIRRST): a multisite randomized control trial of a pre-emptive telehealth intervention for infants with early signs of Autism Spectrum Disorders in Italy.公式Webで、図番号・原題リンクから原図全体と原caption末尾までを連続して撮影。原図の文字・値を変更せず、縦横比を保って縮小表示。原寸も確認可能です。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
登録、二群の支援、子ども・養育者・脳波などの評価を、研究開始前と開始時、24週後、48週後へ並べたSPIRIT予定表。原captionと略語説明を含む。

2026年4月公表の論文は、132組の参加を目標とする研究計画を紹介しています。子どもの発達や養育者の状態に違いが出るかを調べる設計で、群ごとの結果や参加完了人数は、この論文には掲載されていません。

この記事のまとめ

  • 初期兆候のある乳児へのオンライン親子支援を計画した

    イタリアのFIRRSTは、9〜14か月の乳児と養育者132組を目標に、親子の遊びを振り返る支援と養育者教育を比較する研究計画です。

  • 早い時期の支援を、家庭だけに任せない設計が論点

    専門職の支援と地域の通常支援を組み合わせ、子どもと養育者を48週まで評価する設計に意義があります。132組は募集目標で、結果や効果の報告ではありません。

  • 日本の状況と比べると

    日本の児童発達支援も、本人支援だけでなく家族支援や地域連携を組み合わせる枠組みです。ただし、この月齢・頻度・内容のFIRRSTを標準として定めたものではありません。

    日本の参考資料:こども家庭庁:児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)
  • 日本で参考にするなら

    家庭での親子の関わりを支える際に、誰が一緒に振り返るか、地域の相談や診療とどうつなぐかを考える視点が参考になります。

日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。

出典

Fostering Infant Responsivity and Reciprocity - Support to Thrive (FIRRST): a multisite randomized control trial of a pre-emptive telehealth intervention for infants with early signs of Autism Spectrum Disorders in Italy.
原典日:2026-04-18 / 取得:2026-10-14

画像について

冒頭の線画は、家庭と専門職をオンラインでつなぎ、遊びを通じて関わることをイメージした説明イラストです(Jag Project / AI生成)。実際のFIRRSTの教材や機器、参加家庭を再現したものではありません。