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R0200 / チリ

ASD児が自分で選べる生活を学校用尺度で捉える——チリの生活の質の検証

子どもが好きな活動の絵を示し、大人が話を聞く場面の説明線画。

学校で使う物がそろっていることと、子どもが自分で選び、人と関われることは同じでしょうか。チリの研究では、自閉スペクトラム症(ASD)のある児童生徒の学校での生活の質を、複数の領域に分けて調べました。

教育関係者が答えた、242人の学校生活

チリの四つの地域で、通常の学校に通う6〜15歳のASDのある児童生徒242人を、教育関係者164人が評価しました。学校での生活の質を調べるQoLI-PEという質問票を使い、項目のまとまりと、どの領域が低く評価されたかを分析しています。

Sánchez-Gómez氏らが『Frontiers in Psychiatry』で報告した研究によると、物質的な生活条件や権利の領域に比べ、自分で決めること、人との関係、社会への参加の領域が低いという傾向が報告されました。尺度の統計的な構造には、利用を支える結果が得られています。

自分で決めること、人との関係、社会への参加

物質的な生活条件や権利の領域は高く評価された一方、自分で決めること、人との関係、社会への参加は低く評価されました。一つの総点だけではなく、生活のどの領域に違いがあるかを示した結果です。ただし、この評価は子どもの直接の回答ではなく、教育関係者の代理回答です。

八領域の平均と95%信頼区間。物質的な生活条件と権利は約27、自己決定は約23、対人関係と社会的包摂は約24。各領域の得点範囲は8〜32。
教育関係者が評価した242人の領域別平均と95%信頼区間です。自己決定、対人関係、社会的包摂の平均が、物質的な生活条件や権利より低くなっています。
引用元画面:Frontiers in Psychiatry / PMC掲載原典(2026-10-11取得)/Victoria Sánchez-Gómez, Sebastián Zenteno-Osorio, Antonio M. Amor, Mauricio López-Cruz and Miguel Ángel Verdugo(2026), Figure 2. © 2026 Sánchez-Gómez, Zenteno-Osorio, Amor, López-Cruz and Verdugo./CC BY 4.0原典:Measuring the quality of life of students with autism in Chilean general education schools.実ページの該当図表と原キャプションを周囲8px込みで撮影。DOM再構成・図中文字の変更なし。表示用にWebP変換。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
八領域の平均と95%信頼区間。物質的な生活条件と権利は約27、自己決定は約23、対人関係と社会的包摂は約24。各領域の得点範囲は8〜32。

研究チームは、生活の質を八つの領域に分け、各領域を8項目で捉える質問票の構造も調べました。八つの領域を互いに関連づけたモデルと、生活の質という共通の因子との関係も表すモデルを比較しています。こうした統計的な結果は、尺度で何を測れるかに関するものです。尺度を学校へ導入した後、子どもの生活が改善したかを比較した研究ではありません。

上段aは八領域が相互に関連する一次モデル、下段bは生活の質QoLと八領域を結ぶ二次モデル。各領域に8項目が対応し、原captionが全略語を説明する。
身体・感情・物質的な生活条件、自己決定、対人関係、社会的包摂、権利、個人の発達という八領域を測る構造です。上段は領域どうしの関連、下段は共通する生活の質(QoL)との関係も仮定しています。
引用元画面:Frontiers in Psychiatry / PMC掲載原典(2026-10-11取得)/Victoria Sánchez-Gómez, Sebastián Zenteno-Osorio, Antonio M. Amor, Mauricio López-Cruz and Miguel Ángel Verdugo(2026), Figure 1. © 2026 Sánchez-Gómez, Zenteno-Osorio, Amor, López-Cruz and Verdugo./CC BY 4.0原典:Measuring the quality of life of students with autism in Chilean general education schools.実ページの該当図表と原キャプションを周囲8px込みで撮影。DOM再構成・図中文字の変更なし。表示用にWebP変換。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
上段aは八領域が相互に関連する一次モデル、下段bは生活の質QoLと八領域を結ぶ二次モデル。各領域に8項目が対応し、原captionが全略語を説明する。

対象はチリの四地域で通常の学校に通う児童生徒で、無作為に選ばれた集団ではありません。本人が生活をどう感じているかと、周囲が評価した生活の質は、異なる情報として読む結果です。

この記事のまとめ

  • 学校生活の質を、自己決定や人との関係まで分けて評価した

    チリのASD児242人を教育関係者が代理評価した研究では、物的条件などに比べ、自己決定・人間関係・社会参加の評価が低い傾向でした。

  • 設備があることと、本人が選べることを分けて見る

    学校生活の豊かさを、用意された物や権利の項目だけでなく、選択や関係づくりから捉えた点に意義があります。本人が直接答えた満足度ではありません。

  • 日本の状況と比べると

    日本の障害児支援の手引きは、選ぶ機会、意思を表す支援、意見の実現を分けています。チリの尺度による代理評価と、日本の実践の手引きは役割が異なります。

    日本の参考資料:こども家庭庁:こどもの意思の尊重・最善の利益の手引き
  • 日本で参考にするなら

    活動を用意したかだけでなく、本人が選べたか、希望が実際の予定や支援に反映されたかを振り返る観点が参考になります。

日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。

出典

Measuring the quality of life of students with autism in Chilean general education schools.
原典日:2026-05-20 / 取得:2026-10-10

画像について

冒頭の線画は、子どもが選ぶ場面の説明イラストです(Jag Project / AI生成)。この研究では教育関係者が質問票に回答しており、子どもがカードで答えた調査の場面ではありません。