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R0052 / モンゴル

ASD児の家族のつながりと生活の質を調べる——モンゴルの社会関係の研究

三つの空の椅子と机、白紙のノート、二つのカップを描いた線画。

家族が頼れる人との関係は、暮らしのどの部分と関わるのでしょうか。モンゴルの研究チームは、自閉スペクトラム症(ASD)の子どものケア提供者に、人とのつながりと生活の質を尋ねました。心身の健康を一つにまとめず、四つの領域に分けて調べた報告です。

研究チームは、ASDに関係する機関を通じて募ったケア提供者216人へオンライン調査を行いました。募集条件は、19歳以下のASDのある人の主たるケア提供者でした。人とのつながりなどを捉える社会関係資本の尺度と、WHOの生活の質の質問票を用いて関連を分析しています。

216人の社会関係資本。五つの側面と重み付けした合計の平均、標準偏差、最小値、最大値を示す表。
人とのつながりを五つの側面で捉えた集計です。各側面は1〜5点、重み付けした合計は5〜25点の範囲です。
引用元画面:BMC Public Health / Springer Nature(2026-10-17取得)/Yanjinlkham Munkhsaikhan, Munkhtuya Tumurkhuu, Khishigsuren Zuunnast, Damdindorj Boldbaatar, Solongo Bold, Junko Kiriya, Masamine Jimba, Akira Shibanuma (2025); © The Author(s) 2025. Table 2/原典の条件:CC BY-NC-ND 4.0本文の説明・検討のために引用。原典:Social capital and quality of life among caregivers of children with Autism Spectrum Disorder in Mongolia: a cross-sectional study — Table 2公式の表題・全表・脚注を含む一連続範囲の実Web画面です。DOMや表の内容を変更せず、無変形でlossless WebP化しました。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
216人の社会関係資本。五つの側面と重み付けした合計の平均、標準偏差、最小値、最大値を示す表。

心理、社会関係、環境との関連

Munkhsaikhan氏らの報告では、人とのつながりの得点が高いことは、心理的な状態、社会関係、環境面の生活の質の高さと関連していました。身体的な健康との関連については根拠が得られませんでした。また、四つの領域のうち、環境面の平均得点が最も低いという結果でした。

身体、心理、社会関係、環境の生活の質の集計。平均は順に55.7、54.9、53.9、36.5点。標準偏差と最小・最大値も示す。
生活の質を四つの領域に分けた集計です。0〜100点で表し、環境領域の平均は36.5点で、この調査の四領域中で最も低くなっています。
引用元画面:BMC Public Health / Springer Nature(2026-10-17取得)/Yanjinlkham Munkhsaikhan, Munkhtuya Tumurkhuu, Khishigsuren Zuunnast, Damdindorj Boldbaatar, Solongo Bold, Junko Kiriya, Masamine Jimba, Akira Shibanuma (2025); © The Author(s) 2025. Table 3/原典の条件:CC BY-NC-ND 4.0本文の説明・検討のために引用。原典:Social capital and quality of life among caregivers of children with Autism Spectrum Disorder in Mongolia: a cross-sectional study — Table 3公式の表題・全表・脚注を含む一連続範囲の実Web画面です。DOMや表の内容を変更せず、無変形でlossless WebP化しました。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
身体、心理、社会関係、環境の生活の質の集計。平均は順に55.7、54.9、53.9、36.5点。標準偏差と最小・最大値も示す。

仲間の支えと制度を併せて考える提案

著者は、仲間同士の支えとなる地域の取り組みを、医療や社会保障の整備と併せて提案しています。人との関係だけで生活の全てを支えようとするのではなく、地域のつながりと制度の双方を挙げている点が特徴です。

オンラインで回答した216人は、母親や高等教育歴のある人が多い集団です。支援機関などを通じて募られており、支援につながっていない家族を同じように捉えた結果ではありません。また、一時点の関連を調べたため、人とのつながりが生活の質を改善したという順序までは確定していません。

この記事のまとめ

  • 家族のつながりと生活の質を、質問票で照らし合わせた

    モンゴルでASD児のケア提供者216人に調査し、社会的なつながりと、心理・社会関係・環境の生活の質に正の関連が見られました。身体的健康では同じ根拠は得られていません。

  • 家族支援を、個人の頑張りだけに閉じ込めない

    家族の暮らしを支える関係や制度も、支援の対象として捉えられる点に意義があります。交流の場を設ければ生活の質が上がると実証した調査ではありません。

  • 日本の状況と比べると

    日本では、例えば埼玉県が先輩保護者を養成するペアレントメンター事業を案内しています。モンゴルの関連分析に対し、こちらは具体的な相談の仕組みの例です。

    日本の参考資料:埼玉県:発達障害ペアレントメンター事業
  • 日本で参考にするなら

    施設内で子どもの変化を捉えるだけでなく、保護者に相談相手がいるか、地域の交流や相談先へつながれているかを見る視点が参考になります。

日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。

出典

Social capital and quality of life among caregivers of children with Autism Spectrum Disorder in Mongolia: a cross-sectional study.
原典日:2025-09-25 / 取得:2026-10-10

画像について

冒頭の線画は、人とのつながりについて話せる場をイメージしたものです。調査に参加した家庭や、実際の支援活動を描いたものではありません。