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R0020 / ヨルダン

ASDのある人の診断までに、家族はどこへ相談したのか——ヨルダンの受診経路調査

子どもと家族が、複数の相談先へつながる道を描いた本を見ている説明線画。

発達への心配を抱いてから診断を受けるまでに、家族はどこへ相談し、どのような応答を受けたのでしょうか。ヨルダンの研究チームは、自閉スペクトラム症(ASD)と診断された人のケアを担う人たちに、その経路を振り返ってもらいました。注目したのは、心配が生じた時期だけでなく、その後の対応や相談先です。

384人の回答から、診断までの経路を調べる

研究チームは、ASDと診断された人のケアを担う384人の回答を集めました。ASDのある本人の年齢に、募集上の制限はありませんでした。本人の調査時年齢の中央値は9歳です。

表1。対象者の年齢・性別・就学先、母親の学歴、世帯収入、居住地域、健康保険、ASDの家族歴をまとめた集計表。
ASDのある人と家族の特徴をまとめた表です。全体は384人で、母親の学歴は379人分です。
引用元画面:Children / PMC掲載原典(2026-10-11取得)/Hana Taha, Mohammad AlAhmad, Zaid Altawil, Abdalrahman Albakri, Mohammad Alshamasneh, Omar Daas, Amira Masri, Laila Tutunji and Linus Jönsson(2026), Table 1. © 2026 by the authors./CC BY 4.0原典:From Recognition to Diagnosis: Caregiver Response, Help-Seeking Pathways, and Access-Related Factors Associated with Autism Diagnostic Delay in Jordan.実ページの該当図表と原キャプションを周囲8px込みで撮影。DOM再構成・図中文字の変更なし。表示用にWebP変換。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
表1。対象者の年齢・性別・就学先、母親の学歴、世帯収入、居住地域、健康保険、ASDの家族歴をまとめた集計表。

最初の心配から診断までの期間を回答できたのは338人です。このうち、主要な統計モデルに必要な項目がそろった299人を、共通の分析対象としました。

最初の心配は中央値2歳。その後の対応にも関連

最初の発達上の心配が生じた時の本人の年齢は、有効回答381人で中央値2歳でした。Taha氏らは、初期の兆候を通常の発達と考えて行動しなかった経験や、専門職から「ASDではない」と説明された経験などが、診断までの期間の長さと関連していたと報告しました。最初の相談先についても、小児科医を訪ねた場合と比べ、言語・学習センターやその他のサービスを訪ねた場合に、期間が長いこととの関連が見られました。

表4。初期の兆候への対応、最初の相談先、予約の難しさ、以前の専門職の応答について、調整済みオッズ比と95%信頼区間を解析条件別に示す。
相談経験と診断までの長さとの関連を、定義や欠測処理を変えて調べた表です。299人の解析と、欠測項目を補完した338人の解析などを並べています。
引用元画面:Children / PMC掲載原典(2026-10-11取得)/Hana Taha, Mohammad AlAhmad, Zaid Altawil, Abdalrahman Albakri, Mohammad Alshamasneh, Omar Daas, Amira Masri, Laila Tutunji and Linus Jönsson(2026), Table 4. © 2026 by the authors./CC BY 4.0原典:From Recognition to Diagnosis: Caregiver Response, Help-Seeking Pathways, and Access-Related Factors Associated with Autism Diagnostic Delay in Jordan.実ページの該当図表と原キャプションを周囲8px込みで撮影。DOM再構成・図中文字の変更なし。表示用にWebP変換。
図を原寸で確認する(図の中を横に移動できます)
表4。初期の兆候への対応、最初の相談先、予約の難しさ、以前の専門職の応答について、調整済みオッズ比と95%信頼区間を解析条件別に示す。

これは、すでに診断を受けた人の経路を、ケアを担う人が振り返った横断調査です。最終的な統計モデルの説明力も限定的でした。特定の窓口が遅れを生んだと決める結果ではなく、家族が変化に気づいた後の対応や相談先での応答にも、診断までの期間との関連が見られた報告です。

この記事のまとめ

  • 家族が心配してから診断に至るまでの道筋を調べた

    ヨルダンでケアを担う人384人に、最初の心配、相談先、専門職から受けた説明などを尋ねました。本人の年齢を子どもだけに限定した調査ではありません。

  • 相談窓口の存在だけでなく、その先へのつながりを見る

    診断までの期間と相談経路の関連を示し、家族がどこを経由したかを支援体制の検討に使える形にした点に意義があります。特定の窓口が遅れを生んだという因果の証明ではありません。

  • 日本の状況と比べると

    日本では市町村が1歳6か月・3歳健診を実施し、5歳健診にも国の補助があります。この研究の家族ごとの受診経路とは、制度上の入口が異なります。

    日本の参考資料:こども家庭庁:乳幼児健診に関する取組み
  • 日本で参考にするなら

    健診があるかだけでなく、心配を伝えた後の紹介先、予約、受診結果の共有までを一続きに見る視点が参考になります。

日本の制度・資料の確認:2026年11月2日。

出典

From Recognition to Diagnosis: Caregiver Response, Help-Seeking Pathways, and Access-Related Factors Associated with Autism Diagnostic Delay in Jordan.
原典日:2026-09-11 / 取得:2026-10-10

画像について

冒頭の線画は、相談先をたどる家族を描いた説明イラストです(Jag Project / AI生成)。研究参加者や実際の受診経路を再現したものではありません。